建設業が“次の主戦場”？！特定技能導入急増にどう対応する？

 特定技能制度の開始から数年が経過し、外国人材の受け入れが急速に拡大しています。

特に、製造業や介護業界だけでなく、建設業での導入が飛躍的に増加しており、登録支援機関にとっても注目すべき分野となっています。

登録支援機関として今後どの分野に注力すべきか、また企業提案時にどんな切り口を持てば差別化できるのか。
本記事では、統計データをもとに、建設業に焦点を当てて特定技能人材の動向と、登録支援機関が今取るべき実践的アクションを解説します。

特定技能全体の導入状況

出入国在留管理庁の統計によると、2025年6月末時点で特定技能1号在留外国人数は336,196人に達しており、制度開始時（2019年）の数値と比較すると、導入数は倍増以上となっています。
制度開始当初は、主に介護や建設、製造業への限定的な受け入れに留まっていましたが、現在では物流、外食、清掃、宿泊、農業・漁業など幅広い分野での導入が進行。特定技能人材は、業界を問わず労働力不足を補う重要な存在となっています。

増加の背景には以下があります。

1. 慢性的な人手不足
   少子高齢化や若年層の業界離れにより、日本国内の労働人口は減少傾向。製造・建設・介護など、従来から人手不足が深刻な分野では、特定技能制度が採用戦略の中心となっています。
   
2. 制度の柔軟性向上
   転籍制限の短縮や育成就労制度の導入など、制度面の改善により、外国人材の流動性やキャリア形成の自由度が向上。企業側も即戦力の採用だけでなく、長期的な戦力化・定着戦略を立てやすくなっています。
   
3. 企業側の戦略的ニーズ

　　　・繁忙期に応じた柔軟な人材確保
　　　・入職後の研修、教育計画の整備
　　　・安全管理、衛生管理の高度化

🔍 導入が急拡大している主な業種・分野

特に導入数・増加率が高い業種は上記の通りです。

製造業（飲食・機械・電気電子）は全体に占める比率も高く、導入が“倍増”水準で進んでいるという報告もあります。単に導入数だけでなく伸び率にも注目が必要です。

登録支援機関が押さえるべき対応ポイント

急拡大する特定技能導入を受け、登録支援機関としては以下の対応を意識することが重要です。

1. 幅広い業種分野への対応体制を整える
   製造・介護・建設・外食など、導入が急増している複数分野で支援体制を確立しておくことが、受託機会の増加に直結します。
   
2. 分野ごとの特有要件・リスクを理解する
   作業習熟の難易度、日本語能力、安全・衛生対策、夜勤・交替制勤務など、業種特有のハードルを把握することで差別化が可能です。
   
3. 先行事例・成功パターンをストックする
   導入実績や成功事例を整理しておくと、企業提案時の説得力が格段に向上します。
   
4. 将来の需要拡大に備えたリソース確保
   特定技能導入数は今後も増加が見込まれます。人員・ノウハウ・ネットワークの早期整備が必要です。
   
5. 情報発信・営業切り口の強化
   “特定技能導入急増業種の傾向”をテーマにしたセミナーやホワイトペーパーを発信することで、登録支援機関としてのプレゼンスを高められます。
   

建設業における特定技能人材導入の現状

特定技能全体の増加傾向の中でも、建設業は導入数・増加率が特に高い分野です。

1. 人手不足の深刻化
   建設業では、若手労働者の減少や高齢化が進行しており、重機操作・施工管理・設備工事など、経験豊富な即戦力人材のニーズが急増しています。
   
2. 技能習得に時間を要する業務が多い
   建設現場で求められる技能は多岐に渡り、作業手順や安全管理、施工技術の習熟には時間がかかります。特定技能制度により、現場での実務経験と体系的な教育を組み合わせて、効率的に戦力化できる仕組みが整っています。
   
3. 企業の戦略的採用ニーズ
   
   • 繁忙期の工事に合わせた即戦力採用
     
   • 現場ごとの技能向上・品質維持
     
   • 離職率低下と長期的戦力化
     

建設業における課題と登録支援機関の役割

建設業における特定技能人材の受け入れでは、登録支援機関として以下のポイントが重要です。

1. 安全教育・研修計画の策定支援
   入職前研修から現場研修まで、包括的な教育計画を設計。安全管理の徹底により、事故防止と定着率向上に寄与します。
   
2. 業務特性に合わせたマッチング支援
   土木・建築・設備工事など、現場ごとに必要な技能が異なるため、個別マッチングが効果的。
   
3. 入職後フォロー・キャリア形成支援
   入職直後の定着支援に加え、転籍制限やスキル習熟に応じた中長期フォローを提供。企業と労働者双方の満足度向上につながります。
   
4. 制度・施策の最新情報提供
   育成就労制度や転籍制限改正など、最新情報を企業に提供することで、提案力を強化できます。
   

🔹 アスレバの建設業支援の強み

建設業は特定技能導入が最も伸びている分野のひとつです。
アスレバは、建設業への新規営業アプローチに豊富な経験を有しており、登録支援機関様が企業へ効率的に提案できる支援体制を整えています。

• ターゲット企業の明確化
• 導入課題・リスクを整理した提案
• ナレッジの蓄積　
  

これにより、登録支援機関様は、建設業企業への提案力を高めつつ、外国人材の受け入れと定着を両立する支援が可能です。
特定技能建設分野は、登録支援機関にとっても企業にとってもチャンスと成長の分野。早めの対応が競争力に直結します。